ラズパイ研究室

ラズパイについて

 はじめに

ラズパイは、2012年に発売され、世界中におよそ1800万台が出荷されているそうです。

そのため、ネット上での情報も多く、検証もしやすいのが特徴です。実機を触ってラズパイの可能性を探っていきたいと思います。

ハマったことや、成功したこと、理解できたことなどをまとめた研究記録です。

1.ラズパイとは

Raspberry Pi(ラズベリーパイ)は、ARMプロセッサを搭載したコストパフォーマンスにすぐれたシングルボードコンピュータ、通称ラズパイ。

安価な教育用として開発されましたが、GPIOで外部機器を制御できることなどの利便性を持ち、組み込みLinuxボックスとしても活用されています。

Pi3 からWi-FiとBluetoothが搭載され、より利用シーンが広がりました。

現在モデルは、Pi3 Model A 、Pi3 Model B/B+ PiZero /W WHと大きく分けて3種類あります。

また、2019年6月26日に、Raspberry Pi4が発売されました。

それに伴い、Raspberian OSも Debian 10 Busterにバージョンアップされ、Pi4用の設定が追加されているようです。

  

2.Pi3とPiZeroの仕様

Pi3 ModelB+ Pi3 Model B Pi Zero WH
CPU 64ビットクアッドコア Cortex-A53 (ARMv7)1.4GHz 64ビットクアッドコア Cortex-A53 (ARMv7)1.2GHz シングルコア ARM1176JZ-F(ARMv6)1GHz
メモリー 1GB1GB 512MB
USB 4ポート (Type A) 4ポート (Type A) 1ポート Micro USB
Bluetooth 4.2 4.1 4.1
有線LAN 10/100/1000Base-TPoE対応*1 10/100Base-T なし
無線LAN 2.4G/5GHz(IEEE 802.11 b/g/n/ac) 2.4GHz(IEEE 802.11 b/g/n) 2.4GHz(IEEE 802.11 b/g/n)
メモリカードスロット microSD microSD microSD
*1:有線LANはUSB2経由なので、最大300Mbps程度


Raspberrypi4のスペック

CPU1.5GHz クアッドコア Cortex-A72(ARMv8、64bit L1=32KB、L2=1M)
メモリ1G, 2G, 4G, 8G 各モデルで選択
USBUSB 2.0 × 2 ,USB 3.0 × 2 (VIA VL805 PCIe)
bluetuth5.0,
有線LAN10/100/1000 Base-T (BCM54213PE直結)
無線LAN2.4/5GHz(IEEE 802.11 b/g/n/ac)
電源5V 3A USB-Cコネクター

3.消費電力の調査

Pi3の電源は、5V2.5Aが推奨されています。そこで消費電流を実測してみました。

power1 power2

インストール直後のアイドル状態で、pi3はおよそ300mA、Pi3+はおよそ400mA Pi Zero WHは、150mA 

シャットダウン後の状態では、pi3はおよそ100mA、Pi3+はおよそ130mA Pi Zero WHは、0mA

3B/3B+はシャットダウン後もかなり電流を消費しています。バッテリー駆動の場合は、電源管理が必要のようです。

また、専用電源アダプターではなく、USB電源を使う場合は、電流のしっかりとれるアダプターを選ぶことと、2.5A以上が流せるUSBケーブルを選定することが重要です。

4.SDカードの選定

ラズパイのストレージはMicroSDカードです。SDカードには書き換え寿命があり、2年から長くても5年ほどで限界に達するようです。

OSのROM化などSD寿命対策の情報が多く見られます、今後の研究テーマの1つに入れたいと思います。

また、当研究所では、連続通電4年経過のラズパイがあり、経過観察中です。

容量は4GB以上が必要ですが、最近は価格がこなれているので16Gか32GBを選択します。


ちなみにラズパイのブートローダーは、FAT16/FAT32フォーマットのみサポートしています。64GBはサポートしません。

64GB SDXCのSDカードフォーマットはexFATです。ラズパイで、64GB以上を使う場合は、強制的にFAT32でフォーマットできるツール[Buffalo Disk Formatter]等を使う必要があります。


Pi3 Model B+からは、ネットワークブートとPoE、USBストレージからの起動がサポートされました。

5.GPIOの調査

40pinのGPIOコネクタはDIOの他、シリアル、I2C、SPI、I2Sのインターフェースが割り当てられています。

gpio
 
種別ch数PIN数備考
5V 1 2 給電端子としても利用可
3.3V 1 1 なし
GND 1 6 なし
シリアル 1 2 UART1
i2c 2 4 使用できるのはCh1
SPI 1 4 CEは2
GPIO 17 17 3.3V 1ピンあたり16mA/MAX 総電流50mA/MAX
PWM 2 4 ハードウェア 2ch 
I2S 1 3 GPAO18,GPIO19,GPIO21

6.最後に、Piのランプ

Pi3はSDカードスロットの横に電源ランプ(pwr)とアクセスランプ(act)のLEDがあります。

デフォルトで電源ランプは常時点灯ですが、電源不足時(デスクトップに稲妻マークが出る時)には消灯します。

アクセスランプはSDカードへのアクセス時に点滅します。

USBの給電がある限り、シャットダウンしていても電源ランプは点灯しているので、OS起動中か停止か判断できません。

ランプの挙動を一秒点滅等に変更することが可能で、これにより電源を切るタイミングが判ります。

Pi Zeroは、緑のランプが1つで、シャットダウン後は消灯します。